伝説【彦岳権現と不動岩の首引き】
ここの山は彦岳といいますが、俗に権現山と呼ばれています。昔、この頂上に姫龍神を祀る彦岳権現宮があり、この山の2里四方は神領だったといわれています。
この権現と三玉地区にある不動岩とは異母兄弟で、母は実子の不動岩を可愛がっていました。日常の食べ物も不動岩に小豆を、権見には大豆を与えていました。
ある日、母は双方に首引きをするように命じ、買った方に大昔から伝わる、水、火、土の三つの玉を授けるといました。そこでお互いは首に縄をかけ、目を円くして腕を怒らし、かけ声も勇ましく引き合いましたが、大豆を食べていた権現の力が強く、不動岩の首は飛んで久原山の麓に落ちました。首根からは血が流れでて、三玉地区の土は赤土になってしまいました。
首引きで両方から力一杯に踏ん張ったので、足下の土はむくむくとうず高く盛り上がり、首引きの縄の間にそびえ立ち、縄にこすられて、揺るぎだしました。この土の山は「揺ぎ岳」と名付けられ、頂上には縄でこすれた、二筋の凹みが残っています。
また、古くから竜神のすがたは一つの玉を咥え、二つの玉を各々つかんでいますが、それは、権現の勝利をあらわしたものと、言い伝えられています。
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